赤毛のアン

2004年12月14日 読書
ISBN:4102113010 文庫 村岡 花子 新潮社 1954/07 ¥540

タイトルは知っていても、読んだことは無かった。
そんな本が世の中にはいっぱいあって、
そのうちの一つがこの「赤毛のアン」だった。
世界名作劇場ですら見ていなかったので、話もよく知らなかった。
だからこそ、前情報無しで楽しく読めたのだろう。

登場人物の感情がダイレクトに伝わってくるというのは驚く。
それは幼いアンが自分の感じたことや考えたことをそのまま言葉にして出していたからだろうか。
彼女は見開き一杯を使って自分の考えていることをしゃべりつづける。
それを読んでいるうち次第に俺自身もアンの世界に巻き込まれていくような、ふしぎな体験だった。
これは作者のモンゴメリもすごいが、
それ以上に訳者の村岡花子がすごいのではないだろうか。

俺はもともと翻訳された文章というのが苦手で、あまり読むことは無かった。なぜなら、翻訳された文章特有の少しずれている感覚が好きになれなかったからである。

しかし、何故だろうか、この村岡花子の文章はアンの世界にちょうどよいズレ加減というか、美しさすら感じさせる文章だ。
読んでいるうちにどんどん引き込まれていく魅力を持った文章であった。

そのせいか、ダイアナが夢を見ることをやめて現実を見つめだしたり、アンに落ち着きが生まれおしゃべりが少なくなったりしたとき、その寂しさはかなりのものだった。

読んで損は無かった。
むしろ得をした。
人生にプラスになった。
そんな本だったと思う。

全10巻。とりあえずアンとギルバートの決着がつくまで読みます。

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