ISBN:4150306907 文庫 森岡 浩之 早川書房 2002/03 ¥714

独自の言語を設計する言語デザイナーの主人公は、奇妙な偶然から、これまでのものとはまったく構造の異なる言語に遭遇する。言語理解と人間の認識能力、そしてその未来を描いて第17回ハヤカワ・SFコンテストに入選した表題作をはじめとして、緻密な世界観に裏づけられた、名品8篇を収録。大反響をまきおこした、スペースオペラ「星界シリーズ」で、日本SFの新時代を切りひらく、森岡浩之のエッセンスを、ここに凝集。

政界の「星界」シリーズの森岡浩之の短編集。
やっぱりSF短編集はおもしろいね。
言語に基礎をおいた作品が多かったのだが、
アーヴ語を考えた森岡さんはもともとそういうことを考えていたのだろうか。

んじゃ、一個一個感想でも。

「夢の樹が接げたなら」
言語デザイナーという職業が存在している世界。
企業言語やら家庭内言語やらが世界中に溢れかえっている世界。
そんな言語に価値の無い世界に俺は生きたくはない。
日本語大好きですよ。
でも、ユメキは、単純に体験してみたい。

「普通の子ども」
世界観を説明しないことで、読者に想像させるタイプの作品。
…でもどこかで読んだような気がするんだよな…

「スパイス」
人工人間を人間として認めていくまでの話。
もしくは食人の話。
最後の流れには戦慄が走った。

「無限のコイン」
金銭の価値が無くなったらどうなるかというお話。
まあ、そうなるわな。

「個人的な理想郷」
自分の見たい番組だけをみている世界の話。
渡辺浩弐を思い出した。

「代官」
鎌倉時代に宇宙人が侵略してきちゃう話。
人間の卑小さが分かる話だった。

「ズーク」
二人だけしかいなかったセカイとその崩壊の話。
この本の中で一番気持ちが悪い話だと思う。
読んでいてクラクラ来るというか。

「夜明けのテロリスト」
人間と、人間が作ったメディットの話。
いずれこういう時代が来るのかな。
そのままマトリックスの世界へ。
もしくはVRで。

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